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サーフィン上達のために アーカイブ

今日から

今日からこのサイトでコラムを書くことになりました。まさか自分がコラムを書くことになるとは夢にも思いませんでした。古い人間なので情報を伝える手段として、私にとってはWeb上でこれは新しすぎる感じがしてます。もともとそこまでインターネットを利用してなかったけれど、商品の広告や販売促進を進めるうちにどんどんWEBがはずせなくなってきたのも事実です。まさに過去80年代に味わったミュージックアルバムのレコードからCDに変わるようなカルチャーショックそのものです。

ただ、そんな立場の人間ではないので、私がやることはサーフィン上達のために役立つ情報や日常気付いたこと、そして新しい発見をタイムリーにここで伝えていくことであり、それが日本のサーフィンレベル向上や生涯サーフィンを楽しく過ごせる役に立てれば幸いと思います。

どうぞお楽しみください。画像 062.jpg

田村 誠

http://www.basic-surf.com/

どんなボードでも乗れる?

昨日、東京のサーフショップのクラブのコンテストが千葉の和田浦で行われました。波は胸肩サイズのほぼオフショア。コンテストでは充分のコンディション。この大会は毎年波がある。いずれにせよ、いつもいいコンディションの中、場所を提供していただいているJ'Sの皆さんをはじめとするローカルの方々、本当にありがとうございます。この場を借りて、お礼申し上げます。
わたしもお手伝いで行ったけど、ロングボードクラスに欠員が出て、借り出されてしまいました。ほとんどロングは乗らないけどノリで出ちゃいました。

さて、肝心な「テクニックアドバイス」ですが、コンテストのことはともかく、このロングボードクラスに出てふと思い出したことがあります。

私のサーフィンの師匠であるオウミトシヤ氏が以前こんなことを言ってました。「普段自分が乗っていないボードを乗るときや新品のボードに乗るときはショートボードでもロングボードに乗るようにターンしてみな」って。
これがやってみるとすごく効果があって、このあとからボードを新しくしたり、どんなボードを乗ったりしても違和感がなくなった。

この意味はロングボードの基本的な乗り方は重心を中心としてスピードを作り上げ、ターンはレールを深く入れすぎず重心を後方に移動して行う。つまり大きなアクションをせず、そーっと乗るのだ。ターンにこだわらずどこに乗れば一番スピードが出るのかを探りながらライディングする。そうするとその板の特性が見えてきて、そのあとから普段のライディングに戻せば調子よく乗れるのだ。

ボードも人と同じように相手のことを良く理解してから語り合えばうまく行くと思います。とにかくロングボードを乗ったことのない人は一度乗ってみると意外とショートボードの上達に役に立つので試してみてください。

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ローカルコンテスト、どうやって勝つ?

先日の日曜に千葉の和田浦海岸でまたしてもローカルコンテストがありました。ローカルコンテストというのは地元の人の大会という意味ではなく、メジャーではないクラブチームの大会という意味です。これは東京にあるアルファサーフショップのクラブチームの大会で、スペシャルクラスはオープン参加になっています。alpha.jpg

そこで僕はご挨拶を兼ねて会場に顔を出しました。クラブチームのリーダーであるサロモンスポーツの岡島君が司会進行していましたが、彼が途中から試合に出るということでDJを代わりにやったりして、楽しく参加させていただきました。皆さんお疲れ様でした。

ところでこのコンテスト。このコーナーをごらんになっている方の中で参加された方も多いのではないでしょうか?ところがどうして、なかなかうまくいかないんですよ、これが。もちろん僕が話しているのは運営のことではなく、試合のこと。(運営はもっと大変なのですが・・・) 今日はこのコンテストのことにちょっと触れてみたいと思います。

とにかくみんな勝ちたいですよね。参加するのに負けてもいいって人はそんなにいないはず。そこで、まずはポイントを紹介してみたいと思います。

1.しっかり波を待つ。

2.普段の80%くらいの力でライディング。

3.最後の1秒まであきらめない。

アマチュアのコンテストであれば最低この3つは押さえておきたい。

まず、しっかり波を待つ。

これは簡単なようで実はすごく難しい。なぜなら決められた時間内でベストライディングを2本決めるとなるとほとんどの人があせってしまうのです。それではなぜあせってしまうのか考えて見ましょう。

当然、時間の問題があります。制限時間が迫ってくればあせる気持ちにもなるでしょう。例えば、ヒートが始まってから10分間、自分のところにいい波が来なくて残り五分しかない。あなたならどうします?

この時間の切迫が人をあせらせるのですが、でも、あせったところで何も始まらないのです。ほとんどの人があせってアウトで待っていたのにインサイドに戻ってきて手前の小さな波に乗ろうとする。そうするとアウトにセットが入ってきてブレイクしてしまい思わずドルフィンスルー。そのままアウトにいるとまた波が来ない気がして手前に戻ると小さい波しか来なくて、そうこうしているうちにまたセットが入ってきて・・・。こんな空回りした経験ありませんか?

残り五分で何ができるか?

1本ライディングするのに何分かかるでしょう?たぶん1分乗ったら相当なロングライディング。ゲティングに何分かかるか?5分で2本乗るならゲティングは1回。勝つのであればアウトサイドのいい波でこの2本に賭けてみたほうがいいのでは?手前の小さい波よりも充分勝つ可能性があり、万が一、1本しか乗れなくても小さい波の2本よりハイポイントがでればアウトの1本のほうが勝てると思いますよ。

とにかく冷静に判断して、最後は度胸。あせらずゆっくり待ちましょう。

2.普段の80%くらいの力でライディング。以降は後ほど。

ローカルコンテスト、どうやって勝つ?2

2.普段の80%くらいの力でライディング。

誰もが勝ちたいから、コンテストのライディングは力が入りすぎてしまう。ここをコントロールするのがとても重要。craig.jpg

以前大学の授業で聴いたことがあるのですが、緊張で心臓がドキドキしてしまう原因のひとつに呼吸が上げられるそうです。人は緊張にかかわる外部からのストレスを感じると、自然と呼吸が普段どおりできなくて乱れてくるのです。その呼吸の乱れからドキドキするらしい?知ってました?

それぐらい自分では意識しないところでからだは自然にそうなっているのです。だからこそ事前に意識して、ちょっと工夫をすることで緊張は取り除けるはずです。

だからライディングも思いっきりフルスイングしたいところですが、ちょっと意識してコンテストでは80%の力、つまり少し流すようにライディングしてあげるといいのです。「それではライディングにキレがなくなり、点数が伸びないのでは?」と思う人もいるでしょうが、いいんです。この1本目はリズムをつけるためのもの。力まずやればボードは走ってくれます。そのスムースさにきっと自信が出て、2本目3本目と少しずつ調子に乗っていくはずです。最初の波で力んで失敗すると焦ってどんどん空回りする人が多いのです。最初が肝心、落ち着いていきましょう。

もちろんこれはアマチュアのレベル。プロの世界はこんな悠長なことは言ってられないですよね・・・。だからこそ見ていて迫力があって面白いのです。現在、ハワイではトリプルクラウン第1戦、OPハレイワが行われて、見事アンディ・アイアンズが優勝したようです。今回取材の人が言ってましたが、ミック・ファニングが試合に臨むとき、ヒート直前に1分間ほど、目を閉じて瞑想にふけっていたそうです。その後目を開けた瞬間、ボードに何か文字みたいなものを書き始めたようです。日本でも手のひらに人という字を書いてそれを飲み込む、なんてこと聞いたことありますが、それと同じなんでしょうか?

いずれにせよ、このようなトップクラスのサーファーであっても精神統一に人それぞれのやり方があるようです。皆さんも自分なりに考えて行ってみると意外と効果あるかもしれませんよ。

田村 誠

ローカルコンテスト、どうやって勝つ?3

そして、3.の「最後の1秒まであきらめない」。

(第32回全日本サーフィン選手権大会シニアクラス表彰式)


あるコンテストでの出来事。

ヒートが開始されて、ようやく掴んだ波なのにワイプアウトをしてしまう。
「しまった!」
と思い、慌てて次の波に乗るがまたワイプアウト。そして慌ててまた次の波に乗るが波が全然良くない。そしてそのヒートはあっという間に終わってしまう。
「こんなことなら試合なんか出なきゃよかった・・・」

何事も人はうまく物事を運びたいと思う。それは万人そうだと思う。その気持ちはうまく行っているときはいいけれど、ひとつ失敗があったり、つまづいたりすると、そこからバラバラと一気に今までの調子が崩れ去り、だめになったりしてしまう。みなさんもそんな経験はないでしょうか?こんなことにならないようにするにはどうすればいいのか?

大切なのは、人間誰でも失敗はある。だから、失敗しても慌てないことが大切。気持ちをしっかり整理して次の波に望むこと。1度失敗しても、2度失敗しても、3度でも・・・。決してあきらめずにヒート終了まで落ち着いて望むこと。そうすればヒート終了残り1秒で波に乗ってもしっかりそこでライディングできて、良い結果につながるでしょう。
もし、良い波をつかめず終了してしまっても、悪いのは波ではなく、自分の気持ちであると反省できれば次のコンテストはまた気持ちを整理して落ち着いて望めば必ず良い結果になるでしょう。

もちろん自分のサーフィンの技量も大切。それが精神に反映されるわけですから、常に心と体をあわせて鍛えることを心がけましょう。

でも、これって意外とビジネスでも一緒だったりするんですよね・・・。

田村 誠

波に乗るということ

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やっと基礎サーフィンシリーズの「初級」編の編集が完了しました。後はDVDにプレスするだけです。

正直とても疲れました。というのも今回は前回の「中級」編と違い、企画、構成、撮影、編集、デザインと多岐にわたって自分自身が携わりました。

でも、そのかわりにすべてに自分の考えを導入することができてとても満足してます。

前回は「中級」でしたが、何で中級からなの?ってよく言われます。

実はこのプログラムをDVD化しようとしたのも、専門学校やスクールで長年教えてきた中で共通の問題が多いことに気づいたからです。多くの生徒が最初の授業でクラスを編成する際に行う「レベルチェック」のときに、ぼくは「それではフリーサーフィンでみんなのサーフィンを見せてください」と伝えるとみんな海に入って行きますが、1時間たっても2時間たっても波に乗る本数が1本とか2本とか、とても上達できる本数ではありません。

つまり、単にサーフィンの技術が問題ではなく、波に乗らないという問題でした。

ではいったいどうすれば波に乗れるのでしょうか?

波に乗れないという問題は、いくつかの要因があります。

ひとつはまず体力の問題。いくら大きいボードや浮力があるボードを持っていても、体力がなければ波には乗れません。サーフィンはスキーやスノーボードのゲレンデと違ってリフトのようなものはありません。自力で沖に出て、自力で波をつかんでうねりの斜面を滑っていかなければなりません。若いころにサーフィン以外でもスポーツをやって基礎体力がある人はしばらくすると体力が戻ってきますが、基礎体力のない人はやはり一からきちっとトレーニングする必要があります。

これは単にテイクオフの問題だけでなく、安全管理の点からも重要なことなのです。

つぎにボードの問題。サーフィンはすでにある程度長い歴史を持つスポーツとなり、親子2世代でサーフィンを楽しむ家族がいるぐらいです。

サーフボードもこの歴史の中でいろんな変化を遂げてきました。また、ドリームツアーといわれる世界最高峰の選手が競い合って世界一を決めるワールドツアーも存在し、世界有数の波で毎年競われています。このワールドツアーで使われるボードを最先端としてどのボードメーカーもデザインや研究に日夜努力をしています。

ただし、それはあくまでプロ仕様であり、車で言うとF1のマシンのような存在です。サーフィンの基礎を学ぶのであればやはりそれぞれの技量にあったボードを選択することが上達につながるのです。

ただし、現代の若い人はやはり見た目を重視してしまい、プロモデルのようなボードを無理に選ぶと、結果として先ほどのような波に乗れない状態を続けてしまうことになります。

そして、3つ目は海のことをよく理解していない。

うねりがどの方向から来ているのか?波がどのポジションでブレイクするのか?どこにフェイスがあるのか?など、海や波のことをもっと知ろうとしないと波をつかめないし、せっかくつかんでもすぐワイプアウトしたり失速したりします。

これらは本当に基本的なことで必ず考えなければなりません。いくつかのヒントを私が案内するDVDなどで紹介していますが、これらはとにかく現場(海)でしっかりと体験し身につけなければいけません。決して本やDVDを見ただけで体得できるものではありません。

まずは海に行くこと。

今はいろんな波情報があり、便利な点もあります。海に行く前に波のコンディデョンがわかってしまい、「今日は波が小さいからやめよう」というような流れになってしまいがちです。

ボードの選択ができれば小さい波でも楽しむことができます。

極端なことを言えば、波があればショートで、小さいとロングなど。基本を学ぶ上でまだ波が小さいとか面が悪いとかはあまり問題ではありません。もちろん経験がないのに大きい波や流れの強い場所にはいるのは危険なことですが、小さいとか良くないはあまり初級の段階では気にせずたくさん海に入ることをお勧めします。

そんな波でもきっと何かをあなたに与えてくれるはずです。自分の過去を思い出しても重要なきっかけをつかんだのは意外と良いコンディションよりも悪いコンディションのときのほうが多い気がします。

ぜひトライしてみてください。

田村 誠

自分のサーフィンのレベル

最近のサーフィンでは、上達を困難にしているいくつかの理由がありような気がします。 1.jpg
ショートボードにおいては、まず道具、つまりサーフボード。もともとサーフィンの歴史は大雑把に言うとロングボードといわれる3m近いボードから始まり、時代と共に進化して短く、薄いボードへと変化してきました。さらに、ここ数年のボードデザインの発展は目覚しく、大きな革命的変化をもたらせました。この革命に大きく貢献したのは8度の世界タイトルを持つケリー・スレーターと世界のトップシェーパー、アル・メリック。


超人的なテクニックを持つケリーとアルの革新的発想により、ノーズ、テール共に大きくそりあがったロッカーや、綱渡りを思わせるような細い幅、そしてこれで水面に浮くことができるのかと疑いたくなるほど薄いレール。こんなボードを自由に操り、ケリーは数々のスーパーテクニックを世に披露し、アルはハイパフォーマンス・ボードのシェイプにおける第一人者として今もこのサーフィン業界の中で崇められてきました。

ただし、この現象はあくまで上級者のサーファーにとって革新的な出来事であり、初級者から中級者のサーファーが、これらのボードを乗ることは上達の大きな妨げになってしまうこともあるのではないでしょうか?
特に日本では自分の技量とボードの関係を無視して、あくまで最先端のハイパフォーマンス・ボードを求める傾向が強く続いています。当然、上達が遅いサーファーが増えてそれに伴いサーフィン雑誌でも、サーフィン・フォトよりもハウトゥ関連の記事が増えることになりました。

大勢海に入っていても コンスタントに波に乗っているのは数人であることを気づいている人もいると思います。

当然サーフィン自体が他のスポーツと異なり、上達を困難にさせるいくつかの要因を持っていることもあるでしょう。これは今も昔も変わらないことですが、サーフボードで波の斜面を滑るということは、雪の斜面や坂道を滑るということとは異なります。なぜなら、波は常に動いていて、ライディングに失敗して転んでしまっても、スノーボードならまたそこから立ち上がってライディングをリスタートできます。しかし、サーフィンの場合はもう一度沖にパドルアウトして、テイクオフからやり直し。つまり反復練習することが極めて困難です。したがって他のスポーツと比べると上達の速さがどうしても遅い、すなわち難しい、きついと感じることが多いでしょう。事実サーフィンは決して易しい競技ではりません。過酷な面も大いに持ち合わせた特殊なスポーツです。

さらに、指導においても受講者と一緒に海に入っても、スタンスや姿勢をその場で手取り足取り指導が出来ず言葉だけの説明になりがちです。一度乗るごとに岸に上がって説明するのでは日が暮れてしまいます。
それぐらい上達困難なサーフィンだからこそ、よく考えながら効率的に練習していかなければ決して上達のスピードは上がらりません。

 

「いやあ、今日はいい波だった。アップスしてリップでいいスプレー飛んだよ」
海から上がったサーファーが陸でこんな話をしているのをよく見かけます。でもその多くはどこかスピード感が感じられない。ドライブしている気がしない。ボードを自由に操りたいのに・・・・。壁に当たった人がよく口にするのも一方で耳にします。いったい自分はどのレベルなんだろう?

まずはあなたのレベルをシビアな目で自己診断してみましょう。

 

 

[初級]

サーフィンの中では「初心者」と「初級」を区別することがポイントです。この運動はパドルとテイクオフまでがキーポイントです。この技術がなければボードの上でのライディングはありえません。テイクオフを自力でできない人は初心者。できる人は初級と区別します。パドリングで誰かに押してもらってテイクオフするのではなく、パドリングを自力で行えるようしましょう。パドルが最初も、そしてこれからも最重要なテクニックなのです。

 

[中級]

確かにフェイスを滑ってはいる、けれどブレイクが早いとどうしても抜けられない。大きなターンができない。どこかに問題があるはずです。スピードの原理をもう一度理解してみよう。意外とこんな肝心な原理を理解してない人が多いのでは。これをつかめば「中級者」が必ず上級に早く上達できる。波(海)全体を見てサーフィンすることも、このステージで求められます。

 

[上級]

NSA(日本サーフィン連盟)の級で言うと2級以上というのがひとつの目安になるのではないでしょうか?スピードとともに基本的なテクニックができること。チューブライディング、カットバック、ロールイン、オフザトップ、フローター。もちろんバックサイドでも。つまり一つでもそれができない人は中級以下になってしまうのでは?スピードという大事な部分を忘れないように。

 

 

ココで大切なのは自分の技量を1レベル下げてシビアに自己診断する勇気です。そこから意識改革をして上達を目指すことも早くレベルを上げるコツのような気がします。「急がば回れ」です。

 

台風シーズンで気をつけること

昨年の台風9号 逗子界隈で・・・。

今年はなんか台風の数が少ないですねえ。待ち遠しい限りです。昨日、宮崎のイケダ先輩と電話で話したら「田村っくん。こういうときがホンモノの台風が来るんよ。てか、8月、9月になったら必ず来るっちゅう予感がするんよねえ。てか、必ず来るよー。てか、てか、てか・・・」とずーとこんな感じで熱く語ってくれました。イケダ先輩にはいつも宮崎に行くたびにお世話になっていて、いつも本当にありがとうございます。 僕もそんな気がします。

てか、そうはいっても台風でのサーフィンは本当に気をつけてくださいね。30年近くサーフィンして、何度も人を助けましたが、意外なところでみんな台風の力を見落としていますから・・・。

過去によくあったお話を少しご紹介しましょう。台風が近づいているけど、ビーチでまだサーフィン可能な頭前後サイズの波があるときに多いんです。

海から上がってみんなで浜でしゃべっていると、誰かが「あれって、人じゃない?」と言い出す。よーく見ると遥か沖に豆粒くらいになった人らしき影が見えるような見えないような・・・。うねりもあるから、見え隠れする。「ヤバ、人だ」。散々みんなサーフィンしたあとで、あの沖にパドルするのはかったるい。「田村ぁ、お前行ってこい」。若かったその当時はたいがい年下が行かされる。

かなり長い時間パドルしてようやく人とはっきりわかるようになる。でも、今考えるとわれわれにとってその距離は決して困難な距離ではない。帰ってくるまでのカレントも驚くようなものでもない。問題はそれでもこんな場所まで流されてしまうということ。そのときに先輩に教わったのは「この流れに乗ったら、熱海の沖くらいまで流されて、最後は大島あたりまで行っちゃうんだよ。ただ流されるように思うかもしれないけど、一晩中、真っ暗闇で、一人きりで、この沖で漂ったことを考えてみな。たいがいみんな気が振れちゃうんだよ。」ってさらっといっていた記憶がある。さらっと言っているが、中身は恐ろしいと思った。

その流されていた子に近づくと、「助けてくださーい!」と手を振っている。買ったばかりのシーガルのウェットスーツを上半身はチャックをおろしてはだけている状態。意外と元気そうな状況を見て何かすごく腹立たしく思い「何やってんだ、手を振る力があるならパドルしろよ!」と怒鳴ってしまった。「できないんです・・・」と。20歳前後の男性だった。多分2,3回目くらいのサーフィンなんかじゃないかな。

とりあえず、自分のリーシュコードにQまらせて岸までやっとの思いでたどり着いた。別に何を期待するわけではないけど、「ありがとう」がない。この一言でいいんだけど、それを僕はあまりこの場面で聞いたことはない。まあ、礼儀がないのではなく、そうとうパニクっている状態のせいだと思うが・・・。新島に行く船の中でであった老人の漁師さんが同じことを言ってたのを思い出す。「人の命をいくつも助けたけど、礼なんか言うやつは独りもいなかったよ。人間ってのはホントはそんなもんなんじゃねえかなあ」とさびしげに語っていた。

 

ようやく岸に戻って、さあ帰ろうかって言ってたら。「田村ぁ。あれ人じゃねえか?」って・・・。

てか、これほんとの話です。

とにかくこのケース多いので、これからの台風シーズン、充分注意してください。

田村 誠